2020トウケイニセイ記念回顧

天候は晴れ、不良馬場、出走馬12頭。

一番人気は⑦パンプキンズ(2.3倍)。昨年の東北優駿、岩手ダービーダイヤモンドカップを制した二冠馬という圧倒的な実績を誇る。さらに水沢競馬場では9戦して(4,4,0,1)、上記二冠に加えてスプリングカップも制しており、得意の舞台で古馬重賞初制覇を期していた。
二番人気は③センティグレード(4.2倍)。明けて9歳、通算71戦15勝のキャリアを積んだ古豪ながら末脚の切れは健在。また岩手競馬移籍後の4勝を全て水沢競馬場で挙げているように、コース適性も高い。
三番人気は⑧ブルージェット(5.6倍)。デビュー以来南関東大井競馬に所属。ハイレベルの南関競馬で7勝を挙げ、重賞出走も果たしている。移籍初戦ながら、そのポテンシャルから即通用と評価されていた。
四番人気は②マリーグレイス(6.1倍)。昨年まで芝の短距離を中心に使われてきたが、三走前に塚本騎手に乗り換わると3戦連続の逃げ切り勝ち。勢いに乗って初めて重賞の舞台に挑戦してきた。
ここまでが単勝オッズ10倍を切る人気で、以下⑤マーブルフラッシュ(14.9倍)、①ハイパーチャージ(16.9倍)までが単勝オッズ20倍以下。
パンプキンズを除き重賞実績の乏しい馬が揃い、パンプキンズも古馬重賞初挑戦となった前走絆カップで8着と凡走、予定していた白嶺賞を脚元の違和感で回避と順調さを欠いており、人気の割れた波乱含みの様相だった。

引き込み線からのスタートは、パンプキンズが好スタートを切るも積極的には行かず、また内のマリーグレイスも悪くない発進だったが騎手が外を見ながら様子を窺う構え。
手綱をしごいて出ていった⑥ヤマニンボアソルチが、緩いコーナーを曲がって一周目のスタンド前に出たところで先頭に立つ。
1馬身半から2馬身差でパンプキンズが2番手、その後ろに内マリーグレイスと外⑫マッサンゴールドが並び、直後にマーブルフラッシュ、ブルージェットが続いて、ここまでが先団を形成。
そこから3~4馬身離れて④スカイサーベル、以下はバラけて⑩サンエイリシャール、⑨マツリダレーベン、⑪レッドダニエル、センティグレードが縦長に続き、最後方にハイパーチャージが構えた。
向正面中ほどからヤマニンボアソルチがペースを上げると、パンプキンズ、マッサンゴールド、ブルージェットも同時にピッチを上げ、4頭が後続を引き離して4コーナーを回り、直線に入った。
直線に入って早々に前の4頭からさらにヤマニンボアソルチとブルージェットが抜け出す。余力のないパンプキンズ、マッサンゴールドに代わって後続からスカイサーベル、センティグレードが外から伸びてくる。特にセンティグレードの脚色がよく、ゴール前30メートルほどの所で前の2頭を一気にかわすと、1馬身3/4差でゴールを駆け抜けた。
2着争いはハナ差の接戦となったが先に抜け出したブルージェットが粘り、スカイサーベルが3着。そこから1馬身差の4着に最後方から追い込んだハイパーチャージが入り、逃げたヤマニンボアソルチはゴール寸前で力尽き、さらにクビ差の5着だった。

勝ったセンティグレードは9歳、これが通算72戦目で重賞初制覇となった。先団が固まり、徐々に脱落していく厳しい流れを後方2番手で虎視眈々と追走し、残り3Fから追い出すと終始外を回す小細工無しの追い込みで一気に伸びてきた。上がり3Fは唯一頭37秒台の37.8。展開が向いたときの切れ味の鋭さを見せつけた。また水沢競馬場での成績も通算11戦(5.2.2.2)とし、掲示板を外さない堅実さ。高齢馬とはいえ、今後も先行馬が揃ったレースでは注意が必要だろう。
2着のブルージェットは先行集団の中では最先着。他の先行馬を競り落として、勝ち馬の豪脚にも最後まで抵抗した。移籍初戦、+10キロとまだ余裕残しの仕上げだったことを考えると負けて強しの内容。今後岩手競馬の重賞戦線を賑わすのは間違いないだろう。
低評価を覆しハナ差の3着に刺さったスカイサーベルは、テン乗りの高松亮騎手が素晴らしい騎乗。先団を見る絶好位でロスなく追走し、4コーナーで一気に外へ、後方から追い込んで来た勝ち馬との末脚比べには遅れたが、最後まできっちり伸びていた。2歳時南関重賞平和賞を制した素材。
このレースきっかけにもう一花咲かせたい。
一番人気パンプキンズは2番手追走も、前走同様直線で失速し7着。岩手二冠を制した逸材ながら、まだ古馬一線級とは力の差があるか。オフシーズン中に馬体に逞しさを加えての再挑戦に期待したい。

馬券はマリーグレイスから馬連4点購入。
結果は外れでした。
今年初競馬はかすりもせず、次回は川崎記念まで買えなさそうです。